設立20周年宣言

はじめに

以下に掲載しているものは、当教会の設立20周年(1990年)を記念して皆で作成した宣言です(1991年1月会員総会で採択)。 今ではすでに古くなっていますが、当教会の歴史的資料として掲載します。

私たちの決意 21年目へ、そして21世紀へ

私たち西船橋キリスト教会は、1970年6月の開設以来、教会の主なるイエス・ キリストの恵みと祝福のもと、主の民として成長し、1990年で20周年を迎えま した。

ここにいたるまで支え、祈り、励ましてくださった諸教会への感謝を胸に、21年 目以降、来たるべき21世紀に向けて、受ける教会から与える教会へと一層成長して いくことを願い、以下のように主の民としての決意を新たにするものです。

序…決意の精神

もとより私たちの決意は、主なる神のみこころに代わるものではありません。教会 の頭は主イエスです。また、教会成長は、私たちが関心を持つ以上に主なる神が関心 を持っておられることであり、私たちが何かをする以上に主がお働きくださることで す。ですから、私たちは、私たち自身の存在が聖霊のお働きの妨げにならないように 気を付け、しもべとして神のお働きのお手伝いをするという謙遜さを持ちます。

そうした思いで私たちは、教会として目標を見失わない確かな歩みをするために、 20周年から30周年に向けての計画を立てます。これはあくまでしもべとしての私 たちの、主にお仕えするための計画であって、いつでも主なる神がお示しくださる変 更を謙虚に受け止め、従う思いを持っています。

「あなたがたのうち、塔を建てようとするとき、造り上げるのに十分な費用があるか どうか、まず腰をすえて計算しない者がいるだろうか。そうしないと、土台を築いた だけで完成できず、見ていた人々は皆あざけって、『あの人は建て始めたが、完成す ることはできなかった』と言うだろう。」ルカ14:28〜30

「わたしとしては、やみくもに走ったりしないし、空を打つような拳闘もしませ ん。」第一コリント9:26

「よく聞きなさい。『今日か明日、これこれの町へ行って一年間滞在し、商売をして 金もうけをしよう』と言う人たち、あなたがたには自分の命がどうなるか、明日のこ とは分からないのです。あなたがたは、わずかの間現れて、やがて消えて行く霧にす ぎません。むしろ、あなたがたは、『主の御心であれば、生き永らえて、あのことや このことをしよう』と言うべきです。」ヤコブ4:13〜15

決意…公同の教会に仕える

私たちのあがない主である主イエスは、和解の福音を伝える務めを教会に託され、 「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝え」るよう、教会にお命じ になりました(マルコ16:15)。教会は、世界宣教の達成のために主によって建 てられています。

設立20周年を迎えた私たち西船橋教会は、ここにあらためて、教会の最大の使命 である世界宣教への献身を新たにし、私たちの教会が取り組むべき以下の4つの課題 のすべてにおいて、この目的に沿うように計画し、実行することを決心します。

A.会堂建設

1、 会堂建設の精神

会堂建設は、現在、私たちの教会が取り組むべき最大の課題ですが、なぜ会堂建設 に取り組むのかという、その精神を以下のように私たちは考えます。

現在の日本、特に首都圏の異常な土地の価格の高騰の前で、また日本の円が諸外国 (特に低開発国)で大きな価値を持っており、わずかな金額でそうした国々の宣教を 強力に援助することができるという事実の前で、はたして多大な金額と長い年月とを 犠牲にしてまで首都圏の教会が自前の会堂を所有する意味があるのかと、そういう問 いに私たちは直面させられています。

(1) 伝道を犠牲にすることなく

この問いを前に私たちは、私たちに現在委ねられている伝道と宣教の課題を会堂建 設計画のために犠牲にすることはしないと決心します。

具体的には、会堂建設のための会計と、現在の伝道と宣教支援のための一般会計と を切り離しています(一般会計から回る一部の会堂積立を別にして)。現在の課題を 犠牲にして会堂のために貯めるのではなく、現在の課題に十分に取り組んだ上でな お、会堂のためにも献げると決心します。将来伝道所開設に取り組む際にも、一般会 計の枠内で、あるいは開拓伝道会計を別に設けることにより、会堂会計に犠牲にさせ られることなく、また会堂会計を犠牲にすることなく、伝道所開設に取り組むことを 決心します。

(2) 主への感謝として

なぜ会堂を建てるのかということについては、自分たちが今必要としているという こと以上に、私たちが生かされ、救われ、祝福をいただいて20世紀の後半、西船橋 の地で信仰生活を続けることができたことへの感謝として主に最高のものをお献げし たいという思いからです。

(3) 次の世代に受け継いでも

ですからこの地価高騰のなかで、仮に会堂を建設できる日が40年後、50年後にな るとしても、さらには再臨の直前、歴史上最後の会堂になろうとも、私たちはそれを 良しとします。会堂は私たちの感謝の献げものだからです。ダビデが神殿建設を切望 しつつも、彼にはそれが許されず、その働きは息子ソロモンがなすべきことであると されたとき、ダビデがそれを良しとし、ソロモンの神殿建設に向けて自分にできる限 りの備えをしたように、私たちも、会堂建設が次の世代の課題になり、私たち自身は 新会堂を使用することがないとしても、その日に向けて精一杯の献金と備えをもって 私たちの務めを果たします。

(4) 伝道の前進のために

同時に、私たちは、会堂がやはり現代日本において(日本人の価値観に対して)主 を証しするための有力な武器であることを認め、伝道の前進のためにも一日も早く会 堂を建設することができるよう努力します。

2、 会堂建設の現実的目標

以上のような会堂建設の「精神」を持ちつつ、現実的な課題として、私たちは、2 0周年から25周年までの5年間を資金貯えの期間とし、25周年から30周年まで の早い時期に会堂建設に踏み切れるよう、以下のように目標を設定します。

会堂献金は、できるだけ、足並みを揃える意味で、額の多少に関わらず、月定献金 と共に二本立てで月々献げることを教会員の共通理解とします。そうしてとりあえ ず、月々40口、年間350万円を目標とし、以下毎年それぞれが10パーセントず つの増額を心掛け、それに新しい教会員の参加を加え、以下のように5年間の積立計 画を立てます。

年度 口数 金額
1年目 40口 350万円
2年目 45口 425万円
3年目 50口 500万円
4年目 55口 575万円
5年目 60口 650万円
2500万円

これに現在の手持ち金と今後の利子などを加え、総計4000万円を目標とし、こ の額と銀行からの借入金などをもって、25周年から30周年までの早い時期に会堂 建設に踏み切れるよう、調査、交渉を進めていきます。同時に、会堂の「形」等につ いて教会内部の学びを重ね、共通の理解と一致を図ります。

B.伝道。

1、 現在の教会堂での伝道

飽和状態に達している現状のとりあえずの解決のため、できるだけ早い機会にもう 一室借り、多目的で活用し、おおむね以下のような成長を目指します。

構成 現在 5年後
現住陪餐会員 65名 100名
長 老 4名 7名
執 事  3名 6名

教会成長のためには、伝道の基本が個人としての信仰者の生活や証しにあることを 覚えつつ、個人的な友人・知人・家族を誘いやすいよう、家庭集会の充実を図り、各 年齢層とそれぞれの関心に合わせた多様な活動を計画し、また不特定多数への宣伝活 動のためには、定期的な新聞折り込み広告、チラシ配布等を計画します。

そして5年後(現牧師45歳)にもう一人の牧師(25歳位)を招聘し、複数牧会 のシステムを採ることができるようにします。

2、 開拓伝道

前期の陣容のうち、長老2名、執事2名、牧師1名、教会員20名程度の派遣を もって25周年を機に開拓伝道に着手できるように努力します。開拓伝道の形はいろ いろありますが、単なる伝道者派遣、信徒派遣にとどまらない全教会的伝道を心掛 け、母教会と伝道所とが将来的にも霊的・組織的一致を保てるような「1教会2集会 ・複数牧会」的な形を当面目指します。

C.教育(信仰の継承)

1、 信仰と家庭

私たちの教会は、設立以来一貫して「信仰の継承」を重視してきました。そのため 家庭礼拝が強調され、主日礼拝は、親から子まで全員によって守られるべきものとさ れてきました。その結果、信仰継承に関し主から祝福をいただいてきました。

その伝統を踏まえ、クリスチャン・ホームの建設、家庭礼拝の実施、子弟への信仰 教育、全年齢層による主日礼拝の実施を引き続き強調し、より一層充実させることを 決意します。また既存の信仰者家庭は、青年たちに対してクリスチャン・ホームの良 き模範となるよう励みます。

2、 信仰と社会

また改革主義神学の系譜に連なる教会として、社会的な問題に対しても責任ある発 言と実践ができるようになるため、相互の研鑚を重ねることにし、さらにウェストミ ンスター信仰告白を解説・指導できるような信徒教師の養成を図ります。

3、 教会生活

前記の目的を効果的に達成し続けることができるよう、また、それにふさわしい霊 性を互いに身につけることができるよう、修養会等を利用し、教会全体として年ごと に焦点を絞った研修をこころがけます。

1年目 祈り合う教会
2年目 みことばを学ぶ教会
3年目 みことばを伝える教会
4年目 交わりを深め合う教会(相互牧会)
5年目 社会に奉仕する教会(地域の教会)

D.宣教。

私たちはまた、主の御体なる教会の一員として、この国際化の時代にふさわしい祈 りを献身をもって、自分たちの地域を越えた世界宣教の働きのために貢献するように 努力します。

1、 教派の交わりの中で

私たちの所属する日本福音長老教会の設立には、私たち「西船橋伝道所」の存在が 一つの契機となりました。この歴史的な事実を踏まえ、教派全体の宣教のため、喜ん で奉仕することを決意します。

また日本基督長老教会東部中会との教派レベルの交流や、当教会内での人的つなが り、さらに日本基督改革派教会との交流(人的つながり、ならびに牧師の改革派神学 研修所への出席)を覚えるときに、日本の改革派諸教会の交流の中で当教会の果たす べき役割を覚え、一層の責任を担うことを決意します。

2、 福音派の交わりの中で(世界宣教への協力)

私たちの教派が形成された理由の一つに「福音派が長老教会の証しを必要としてい る」ということがありました。新発足した日本福音同盟(JEA)に日本福音長老教 会が加盟したこと、当教会20周年に前後して牧師を第2回ローザンヌ世界伝道会 議、第1回アジア宣教会議に派遣したこと、また牧師がJEA救済委員会委員に任命 されたこと、こうした出来事の背後にある主のみこころを覚え、世界のキリスト教会 の歩みを私たち自身のこととしてとらえ、共に痛み、共に宣教の責任を担い、公同の 教会に仕えていくことを決意します。

そのため、出張、旅行等で海外に出る教会員に何らかの形で当教会の世界宣教への 取り組みに貢献できるようなレポートをしていただく、あるいは、若い世代を教会の 援助により宣教の現場への研修・視察に送り出す等、ささやかなことから私たちの目 をまず世界に向け、知り、祈り、献げ始める努力をします。

3、 直接伝道への献身者

設立20周年、人間でいえば成人に達した私たちの教会のこれからの課題の一つ は、当教会から直接伝道への献身者が起こされることです。教会員一人一人が自分自 身の献身を問いつつ、私たちの代表戦士として直接伝道への献身者を送り出し、育 て、祈り、敬い、支えることをもって、次の世代の教会に対する責任を果たせるよ う、献身者の起こされることを祈り求めます。

主が私たちの思いを導き、良しとし、実現に至らしめて、私たち西船橋教会を、2 1年目へ、そして21世紀に向けて、一層世界宣教に仕えるものとして用いてくださ るように。

1991年1月27日 西船橋キリスト教会・定期会員総会